大衆芸術(マサコ)

前にも書いたけど、今は父の個展の会期中なので今週中はそちらの番で手一杯です。個展とか言うと、業界の名士たちを招いてそれぞれが先生と呼び合って嘘の褒め言葉いっぱい言い合って・・・みたいなのもあるんだけどさ。あいにくうちの父はそういう口八丁手八丁が出来ないので特に有名になるわけでもお金を稼ぐでもなく今まで来てしまってる。そう言うのやだなと思った時期もあるにはあるんだけど、今回の個展には父の同窓生や自治会の関係者や近所の人や飲み友達や仕事仲間や、たまにちょっと有名な方が来たりして、なんかとても楽しいムード。20年越しの夢実現の瞬間でもあるので身内は当然喜んでるけど、同窓生の方や近所の人の中にも目を潤ませながら喜んでくださる方がいて、家の中でごろごろしてる父の、外での顔を少し見たような気がした。そして、家族ぐるみでお付き合いのある知人の奥さんなんかが「奥さんの気持ちを思うと涙が出るわ」なんて言ってて、夫婦の関係というのもなんだか複雑なものなのだろうと思った。うちの家業はどちらか言うとお公家さんのご趣味ということになってるけど、背景も含めて出来るだけたくさんの人に愛されないことには生きていくことは出来ないのだし、芸術芸能のよいところはそれに興じてる時は男女も貴賎も関係なしってところなんだから、やっぱりたくさんの人が笑ったり泣いたり感動したりしないと芸術の意味がない。人も作品も世の中もあまり難しいのはつまらんね。私は楽しいのが好きですよ。